2017年09月16日

明日の語り手プロジェクト 〜おはなしを決めよう!〜

第5回 明日の語り手プロジェクト 

               〜おはなしを決めよう!〜



2017910日(日)13001430

たまプラーザ地域ケアプラザ 地域ケアルームにて


 5回目になる「明日の語り手プロジェクト 〜お話を決めよう〜」がたまプラーザ地域ケアプラザで行われました。

 8月の発表会で誕生した「明日の語り手」たちに新しいスタッフも加わり、ますますにぎやかになったワークショップの始まりです。

 まずは導入として声出し。二組に分かれ、向かい合って「ウッハ ウハウハ」から「ウッホ ウホウホ」まで、おなかの底から元気よく声を出しました。

 次に「言葉とあそぼ 〜イメージをふくらませて〜」というプログラムで「しりとりあそび」をしました。輪になって座り、しりとりでおとなりへ言葉をつないでいきます。ルールは3文字以上の言葉です。文章でもいいけど、もちろん「ん」で終わらないこと。ママからでた「リンゴ・スター」に子どもたちはキョトン。最後は最年少、3歳のメンバーの「犬ぞり」で終わりました。


明日の語り手9月10日DSC_0820.jpg

パパも参加してワークショップ中


 続いて、1人ずつお題の絵をもらい、その絵について3つのヒントを出してもらい、みんなで絵を推理する、という言葉遊びをしました。3つ目のヒントにその絵の気持ちをこめること、というのがルールです。娘さんを送ってきて、そのまま参加してくれたパパも、ラクダの気持ちを的確に代弁してくれました。

 次に、語り手にとってとても大切であり、とても難しいテクニック、「間」を意識するためのワークショップです。同じテーマで3つの物を紹介しますが、3つ目の前に「間」をとります。6か月の赤ちゃんと一緒に参加してくれたママは「赤ちゃんの好きなところ」というテーマで発表してくれました。1番好きなのは「クリームパンのおてて」。みんな納得のかわいらしさです。どのメンバーの発表も、「間」のあいだすごくドキドキワクワクします。これが「間」の力なのだなあ、と思いました。

 こうして語り手としてスキルアップをはかった後は、12月の発表会のためのおはなし決めです。スタッフが持ち寄ったおはなしの中から、おはなしを選びました。ひとりひとりが「語り」そのものを楽しんでほしい、との願いから、スタッフも一緒に慎重におはなしを選んでいきます。まだ二つのおはなしで迷っているメンバーもいましたが、それぞれ気に入ったおはなしを、ニコニコ顔で持ち帰ることができました。

                          清智子


どのお話にしようか原稿を読んでいるこどもたちとママ 9月10日.jpg

どのお話にしようか原稿を読んでいるこどもたちとママ


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2017年09月12日

9月のお話

引き出しの中の海


                          片岡輝・文 花之内雅吉・絵


の間、あんなに元気よく磯の岩場の上で

走り回っていたフナムシたちは、いったいど

こにかくれてしまったのでしょう? そうい

えば、色とりどりの車に乗って街から海水浴

にやって来る人たちも、九月も半ばを過ぎる

とパタリと姿を見せなくなりました。すると

海の色までが急に明るさをなくして、どこか

よそよそしいのです。

 でも、ふみは、そんな誰もいない海が大好

きです。砂浜に置いてけぼりされたペンキが

はげちょろけになったボートによりかかって

寄せては返す波の音を聞いていると、ふみは

一度も聞いたことがないお父さんの声を聞く

思いがするのでした。


            引き出しの中の海9月@.jpg        


みのお父さんは、ふみが生まれた年の夏

の終わりの嵐の晩に、小さな船といっしょに

海に沈みました。だから、ふみは写真の中の

お父さんしか知りません。漁船の船長さんだ

ったお父さんは、釣り上げた大きな魚を手に

持って、白い歯をみせて笑っています。

 ふみのお母さんは、お父さんを海の底へ連

れていった海が大嫌いです。ふみが、ひがな

一日海辺にいて波の音を聞いていると、「お

まえも海にさらわれますよ」と、恐い顔をし

てにらむのです。でも、ふみは海がちっとも

こわくありません。だって、お父さんが住ん

でいるところなんですもの。




が南の方から近づいているのか、海のご

きげんがだんだん悪くなってきました。波と

鬼ごっこしていたふみは、頭から波しぶきを

かぶって、かんかんです。

 と、その時、男の子が白い裸馬にまたがっ

て、なぎさのかなたから矢のように走って来

るのを見たのです。

 男の子は髪をなびかせ、波を蹴散らしなが

ら疾風のようにやってきて、ふみの目の前で

ぬれた砂を跳ね上げたかと思うと、そのまま

まっすぐ沖へ向かって駆けて行き、みるみる

うちに、白い牙をむく荒波の中に姿を消して

しまったのです。


引き出しの中の海9月A.jpg


れは、ふみが声をあげる間もない出来事

でした。われにかえったふみは、渚を走って

走って、浜の権助じいさんのところへころが

りこみました。

「おじいちゃん、白い馬にのったおにいちゃ

んが、いま、沖の方へはしっていったの。は

やくたすけないと、死んでしまう」

 魚をとる網をつくろっていた権助じいさん

は、ふるえているふみをやさしく抱きしめな

がらこういいました。

 「そうか、白い馬に乗った男の子を見たか。

 その子を見たら、もう夏は終わりじゃ。まも

なく秋の嵐がやってくるぞ」


 引き出しの中の海9月B.jpg

  

みは帰り道、なぎさでたくさんの夏の思

い出を拾い集めました。

 おはじきにちょうどいい大きさをした巻貝

のキサゴを三つ。宝石のようにキラキラ光っ

ているホシキヌタ貝。小さな小さな貝殻が集

まっている砂浜では、花びらのようなサクラ

貝、うずら豆のような形のミゾ貝……。

 そして、なによりうれしかったのは、ふみ

の大好きなあんパンそっくりなヨツアナカシ

パンを見つけたことです。ヨツアナカシパン

は、ウニの仲間で、ほんとうにおいしそうな

形なんですよ。


 引き出しの中の海9月C.jpg


辺で集めた夏の思い出を、ふみは箱につ

めて、机の引き出しにしまいました。しまい

ながら、ふと、「白い馬に乗った男の子はい

ったい誰だったのかな? もしかしたら、あ

の子のお父さんも海の底にすんでいて、お父

さんに会いにいったのかもしれない。ふみも

海女さんのように海にもぐって、お父さんに

会いたいな」と、思いました。

 その晩は、権助じいさんのいったとおり、

秋の嵐になりました。窓をたたく激しい雨の

音でなかなか眠れないふみが、机の引き出し

をそっと開くと、夏の思い出たちがやさしい

子守唄を歌って、ふみを深い眠りの海へ連れ

て行ってくれました。夢の中で、お父さんに

会えるといいですね。 


引き出しの中の海9月D.jpg




posted by 語り手たち at 22:12| Comment(0) | お話の国

2017年09月05日

中野図書館お話会【9月】 報告


お話会の報告【9月】             東京都中野区立中央図書館お話会

9月2日(土)                             司会進行 高橋裕美


 午前中降っていた雨がやんだと思ったら急に秋風が吹き出したような日でした。午後は爽やかな青空が広がったのですが、夏休み明けの最初の土曜日とあって、図書館に来ている子ども達がいつもより少ないような気がしました。

1部は、暑かったけど楽しかった夏休みを思い出してもらおうと、モグラやかき氷の手遊びを楽しみ、大型絵本の迫力に大人も自分の夏休みを思い出したようでした。最後はやっぱり夏といえばおばけ。かわいいおばけの子どもの話でしたが、思わずお母さんのお膝に座る子もいてほほえましい姿を見ることができました。

2部は、お月様の話にしたのですが、なんと今年の十五夜は104日!でも子ども達は月の話を楽しみ、本もたくさん借りてくれました。

3部は、小さなものが知恵と勇気でピンチを乗り越える、ちょっと勇気の出る話を2つと『勇気』という先日105歳で亡くなった日野原重明さんの訳された本を読みました。私たちはみんな沢山の勇気をもって生きているんだねと気づいたところで、最後まで一人で聴いていた5歳の男の子の勇気にみんなで拍手をしてお開きになりました。

それぞれの間に手遊びを入れて楽しいお話会になりました。


今月の語り手 : 新田安季子、瀧川倫子、高橋裕美


第1部 テーマ 楽しかったね夏休み 子ども7人 大人8人

かみなりこぞうは雲の上(手袋人形)おはなし夢夢 新田

なつのいちにち(大型絵本)はたこうしろう 偕成社 瀧川

もぐら(手遊び)瀧川

かき氷(パネル)おはなしごっこ012 高橋

おばけのこども(語り)こがようこ 新田


紹介図書

・わにわにのおでかけ 小風さち 山口マオ 福音館

・うみやまがっせん 上沢謙二 大島英太郎 福音館

・だめだめすいか 白土あつこ ひさかたチャイルド

・せみとりめいじん かみやしん 福音館

・トマトさん 田中清代 福音館

・めっきらもっきらどおんどん 長谷川摂子 降矢なな 福音館

・すいかのたね さとうわきこ 福音館

・アリからみると 桑原隆一 栗林慧 福音館

・かまきりのちょん 得田之久 福音館 


第2部 テーマ お月様きれいだね 子ども7人 大人7人

うさぎのもちつき(手袋)おはなし夢夢 新田

かじってみたいなおつきさま(絵本)フランク・アッシュ 評論社 瀧川

月見草(語り)女むかし・君川みち子再話集 高橋

もりのおつきみ(紙芝居)千世繭子 さとうあや 童心社 新田


紹介図書

・パパお月さまとって エリック・カール 偕成社

・14ひきのおつきみ いなむらかずお 童心社

・ぼく、おつきさまがほしいんだ ヴァネッサ・キャバン 徳間書店

・うそつきのつき 内田麟太郎 荒井良二 文溪堂

・つきよのかいじゅう 長新太 佼成出版社

・宇宙たんけんたい 月 フランクリン 小峰書店

・月へ行きたい 松岡徹 福音館


第3部 テーマ ちょっと勇気のでるはなし 子ども3人 大人5人

ワイリーと毛むくじゃら男(語り)むかし話ワールドへようこそ 一声社 高橋

コカのかめ(語り)ストーリーテリング入門 一声社 新田

勇気(絵本)バーナード・ウェーバー ユーリーグ 瀧川


紹介図書

・むかし話ワールドへようこそ 末吉正子 一声社

・ストーリーテリング入門 マーガレット・マクドナルド 一声社

・勇気 バーナード・ウェーバー 日野原重明 ユーリーグ




今月の手遊び歌・わらべ歌 


◆もぐら

    ズンズンズズズン ズンズンズズズン

    穴掘ってきたのは もぐらの父ちゃん(親指)

    ズンズンズズズン ズンズンズズズン

    穴掘ってきたのは もぐらの母ちゃん(人差し指)

    ズンズンズズズン ズンズンズズズン

    穴掘ってきたのは もぐらの兄ちゃん(中指)

    ズンズンズズズン ズンズンズズズン

    穴掘ってきたのは もぐらの姉ちゃん(薬指)

    ズンズンズズズン ズンズンズズズン

    穴掘ってきたのは もぐらの赤ちゃん(小指)

    ズンズンズズズン ズンズンズズズン

    穴掘ってきたのは もぐらのばあちゃん(いないいないばあっ!)

    ズンズンズズズン ズンズンズズズン

    穴掘ってきたのは もぐらのじいちゃん(じーっとする)


お天気じゃんけん

    パーっと晴れた青い空(パー)

    グングン雲もわいてきて(グー)

    ちょっぴり雨もふりだした(チョキ)

    おてんき おてんき じゃんけんぽい!


◆忍者になっちゃた

    1と1で呪文をとなえて

    2と2で刀をぬいて

    3と3で編み笠かぶって

    4と4で枯葉にかくれて

    5と5で手裏剣とばして

    忍者になっちゃたー ニンニン



●次回の中野区立中央図書館のお話会

10月7日(土)

  1部 : 130分〜2時               幼児向け

  2部 : 230分〜3             幼児・低学年向け

  3部 : 315分〜345分           小学生向け


  語り手 : 清水加寿子、高橋裕美、須山優子

  司会  : 須山優子



posted by 語り手たち at 01:25| Comment(0) | 中野図書館