2015年08月10日

イギリスおはなしの旅・葉月語り

8月30日、13時30分から16時40分の間に、アートフォーラムあざみ野にて
イギリスおはなしの旅 スコットランド編と葉月語りを行います。
国際・交流事業部と語り普及事業部の合同企画です。
是非お越しください。image-0001.jpg
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posted by 語り手たち at 21:35| 語りのイベント

ステップアップ講座2 紙皿シアターのお知らせ

9月6日(日)13時から16時30分の間に、ワークショップ「紙皿シアター製作」の講座を行います。
お誘いあわせの上、ぜひご参加ください。

詳細は下のチラシをご覧ください。
クリックするとリンクが開きます。すてっぷあっぷちらし.jpg
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太陽と月の詩 209号 巻頭言

物語は命をつなぐ                
語り手たちの会副理事長 三田村慶春

現代人の祖ホモ・サピエンスは、およそ四十五万年前に進化し、ナイル川の源流、アフリカ東部の大地溝帯に棲息していたとの研究があります。その大地のほとんどを占める砂漠に囲まれて、この大地溝帯は今も鬱蒼とした森に被われて昼でも暗く、無論、夜は漆黒の闇に閉ざされます。その時代の道具も武器も持たない裸のままの人類が、数十万年もの間、暗い森や夜の闇の中で彼らの命を脅かすモノたちに対抗し、その危険をいち早く察知する能力として命を預けたのは、視力ではなく、聴力を研ぎ澄ませることだったのではないでしょうか。森を吹き抜ける風や木の葉のざわめき、激しい雨や突如襲ってくる雷鳴。それらの音に紛れて忍び寄る猛獣や大蛇の気配を聞きわけるには、何よりもまず聴覚を進化させることを人類は選択したのです。
一方、現代において、母親の胎内で生れる日を待つ胎児が、四〜五カ月目で聴覚を発達させていることは良く知られています。そのため、この時期の赤ちゃんには優しい声を掛けたり、わらべうたを歌ってあげることが勧められていますが、なぜ、胎児が聴覚から先に発達させるのかは、医学や生命科学の世界でも語られてきてはいません。だが、今、生まれようとする赤ちゃんでさえも、人類の進化の過程を受け継ぎ、母親の胎内で日々成長していることを思えば、外の世界の音に耳をそばだて、これから生まれ出る日のために聴覚から先に発達させていると考えることもできるでしょう。
反面、現代は情報の映像化、電子化により、聴覚よりも視覚による情報の伝達が優先され、この二十年余りの内に、人々は直接、言葉を交わしあう能力を育てることに無頓着になり、逆にそれを避けてきているかのようにも見えます。
およそ十万年前、森から出てサバンナへと歩み出した人々は、良質で豊かな日々の糧を求め、暮らしやすい新天地を訪ね、幾つもの大陸を越えて歩を進め、歴史を繋いできました。私たちの日本列島に人が初めて足を踏み入れたのは、約三〜四万年前。この人類の長い歩みのなかで、人は言葉を豊かにし、それぞれの民族の発展に合わせて多様化させ、その中から数多くの物語を生み出してきました。その物語には命を育み、命を繋いでいく力が潜在しているはずです。
先の大戦から七十年。この国の《支配者》と錯覚する者たちが、品のない野次、心無い暴言、詭弁を弄して、再び兵を戦場へと送り出そうとしています。彼らは、言葉の持つ力、豊かな物語に耳を傾け得ず、その中に人の命を繋ぐ秘密が潜んでいることに気づかぬまま、目を逸らしたまま、心得違いの大人になってしまったのでないかとの感があります。   (みたむら よしはる)
posted by 語り手たち at 21:03| 太陽と月の詩