2017年11月01日

太陽と月の詩 218号 巻頭言

語りの世界を豊かにする魅力的な語りを

山形県山形市  井上 幸弘

 語り手たちの会が結成四十周年になりますが、ここまで続けてこられた多くの方々の努力に感謝申し上げます。地方に住む会員として定期的に届けられる会報・機関誌を読むぐらいで、なかなかイベント等に参加できずにいるのが残念です。
 ところで、「継続は力なり」と言われます。しかし実際続けていくためには相当の努力なしには成し遂げることはできません。山形県の民話グループを結集した「やまがた民話の会協議会」という組織があります。今、存続の危機にあります。県内で民話のグループが減少しているわけではありません。各地域において活動は続けておりますし、語りのイベントも行っています。けれども民話の会協議会から一つ抜け、また一つ抜けという状態になっています。
 民話グループの高齢化、新しい人の参加がない、ということに加えて、県全体の語りのイベントを行うには負担が大きすぎる、協議会に加入していてもメリットがない、等々の理由があります。なかなか打つ手がない状態です。そんななかでも新しい人が加入し、元気が良い団体もあります。その団体では、退職したら是非参加したいと思っていた人たちが加わっているのです。
 各地において「民話の継承」ということで、子どもの語りに力を入れた活動が行われております。子どものいきいきとした語りを聞くと楽しくなりますし、将来是非語りを行って欲しいと思います。
 子どもが語ることももちろん大事にしながら、「語り」が楽しい、おもしろいと思い、いつか私も語ってみたいな、と思ってくれる大人、言わば「語り手予備軍」の人をいかに増やしていくのか、ということを考えたいと思います。そのためには大人を対象にした語りの会を数多く開き、魅力的な語りをしていくことが大事なのではないでしょうか。
 私は、最近子どもたちの前で話が出てこなくなってしまったことがありました。いつも語っている山形のとんと昔だから大丈夫との慢心があったのでしょう。聞いてくれていた子どもたちに申し訳ないと思いました。
 私たちは日ごろの語り活動を振り返りながら、語り手の自己満足でない聞き手にふさわしいお話をきちんと準備して語っているか、語りの世界を豊かにするため、自問自答してみる必要があるのではないか。普段の地道な努力を大切にしていきましょう。      
(会員・ききみみの会主宰)
 
posted by 語り手たち at 00:00| Comment(0) | 太陽と月の詩
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