2018年08月01日

お話の国

お話の国 シリーズ2 詩を語る 5


あこがれ

詩と文  片岡輝


昔の人は、青春を「疾風怒濤」に例えました。朝に

ロダンの考える人を気取ったかと思うと、昼にはグ

ランドのアンツーカの上で、9秒の記録達成を夢見

て短距離走法にチャレンジする。夕べにはキーボー

ドをたたいて「世界の終わり」に酔いしれる。精神

も肉体も激しい嵐となって、時の流れに身を任す。

支離滅裂が青春です。

今月はそんなナイーブな少年を描いた「あこがれ」。

男の子の青春についての詩です。


あこがれ


少年が

旅に心をひかれるのは なぜ

未知へのあこがれが

たくましい肉体に

沸き立ち騒ぐから


少年が

夢に命をあずけるのは なぜ

愛へのあこがれで

きよらかな魂を

みたしていたいから


少年が

なかをまるめるのは なぜ

移ろうはかなさを

自らの足音に

聞き取り竦むから


少年老いやすく

学成りがたし

成りがたきは

学のみにあらざれば

友よ

疾く生き 疾く走れ

あこがれの色あせぬ

そのうちに


*この詩は、池辺晉一郎さんの曲で、混声合唱組曲『風の航跡』(音楽之友社)に収載されています。

posted by 語り手たち at 21:03| Comment(0) | お話の国
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