2008年12月07日

片岡ゼミの一年を終えて

◆2008年度片岡ゼミ開催報告
片岡ゼミの一年を終えて

清水三和子

独自の語り、自分自身の再話をめざす片岡ゼミは、語り手と物語の関係を考えるところから始まりました。
物語を聞いたり読んだりした時、いったいこの話を語っているのはだれなのだろう?話を語っている語り手か?もしくは文字にしている書き手か?また、自分が語っている時、語っている自分とはだれなのだろう?話の主人公か、それとも遠くから話を見ている第三者なのか?
考えていくうちに空中に浮かんでいるような心細さを感じて、そこで初めて語り手としての位置がいかに大事か思い至るのでした。
一人称、三人称、その混合、文学作品を人称を意識して読んでみると、改めて作品の構造が明らかになっていきます。例えば、テキストとした『源氏物語―語りのからくり(鷲山茂雄)』では、源氏物語は、物語をいろいろな目線でとらえていて、段によっては違った話のようになる、聞きたい部分を強調したつくりになっていることが指摘されています。語り手が話のどこに焦点をあてるかによって、話の印象が変わること、それはカメラがズームインもしくはズームアウトして対象をとらえることと似ています。
このようなことを意識してから、実際の再話が始まりました。それぞれがひとつの話を選び、自分がこの話を語ることによって何を伝えたいか、この話の登場人物のどの立場にたって語るかということを、初めに決めてから取り組みました。
参加者それぞれの思いをこめての再話の作業でした。ひとつの話でも視点を変えて二通りに再話するケースもありました。創作作品はその文体に引きずられがちですが、自分の語り口に直せば直すほど、語り手の想いが伝わってきました。再話を完成させて発表会をするには至りませんでしたが、全員新しい意識で再話を試みることができました。
ゼミ修了後の感想では、人称を意識したことの意義、話を語るときの語り手の立ち位置(どの立場にたって語るか)の大切さなどがあげられました。
またゼミを通じて、片岡先生の紹介された本の多彩だったこと、スーザン・ランサー『語り手の物語への参与の度合い』、日和総子『おのころじま』、伊藤比呂美『とげ抜き新巣鴨地蔵縁起』、宮部みゆき『おそろし』、桐野夏生『女神記』、光原百合『銀の犬』、カルロ・ギンズブルク『チーズとうじ虫』、兵藤裕己『琵琶法師の位置―声と主体』、松井憲太郎『編集ノート』等々、とても刺激的でした。そして、みなさんの再話したそれぞれの物語もまた、心をかきたてられるものでした。
再話や創作を続けるには、心に刺激を与えることが必要です。このゼミはお互いをインスパイアーするよい場になったのではないかと感じました。(片岡ゼミ世話人)
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2008年08月25日

海外の語り手との交流

◆オランダの語り手「ウィム・ウォルブリンク」のワークショップ(中級)
2008年8月25日に終了、開催報告はこちらです。

国際交流事業「海外の語り手との交流」

「オランダの語り手ウィム・ウォルブリンクのワークショップ」の報告


田所雅子


リズムに乗って自己紹介、空間を感じるワーク、様々なゲームなど遊び感覚で心と体を楽しくほぐしながら、語れる体を作っていきます。歌って踊って語って・・・・。 自分を信頼し、空間を信頼し、語るための基礎固めをします。 空間を感じることにより、物語が語り手の周りで生き生きと立ち上がってきます。 さあ、いよいよ物語の世界へ!
ウィムさんの語る3つの物語。その中からひとつを選び、主人公を呼び出し、登場人物、道具、背景、動きを確認します。そしてイメージを絵にして他のグループに紹介します。それからそれぞれが物語の空間をイメージして体で表現します。 最後に皆さん本当に楽しそうに語りだします。それぞれご自分の言葉でいきいきと。
参加者15名で、それぞれの方に新しい発見があるとても内容の濃いものでした。来年もぜひ、という声が上がっています。

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ワークショップ終了後のウィムさんと参加者
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2008年06月08日

2008年語り手たちの会基礎講座開催報告

◆2008年語り手たちの会基礎講座 開催報告
語りの基礎講座1が、2008年6月8日から12月7日まで、全7回にわたって行われました。


★講座日程と内容
6/8(日)
1.開校式・オリエンテーション・自己紹介・夢地図の作成
2.ワークショップ・密息(呼吸法)中村明一
3.語りの歴史 櫻井美紀

7/6(日)
1.ワークショップ・語りの声と体のこと 富塚研二 
2.イメージレッスン 松本昌代
3.ストーリーテラーはストーリー・クリエイター 櫻井美紀

7/26(土)27(日)
ワークショップ・・・ウィム・ウォルブリング

9/7(日)
1.語りを聞いてみよう 櫻井美紀、末吉正子他 
2.語りを聞いて、語ってみよう「ふるさと言葉の語り」 君川みち子
3.ワークショップ・表現のための自然な体を知る 竹田恵子

10/5(日)
1.語りの未来と可能性について 三田村慶春
2.自分の語りを作るために「お話の見つけ方、演出…etc」 片岡 輝
3.ワークショップ・インプロ〜語りへ 田所雅子

11/9(日)
1.語りを聞いて、語ってみよう「一緒に遊ぼう、楽しい語りで」 尾松純子
2.発表会の準備

12/7(日)
1.リハーサル A発表会 B打ち上げ

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発表会の様子

★まとめ
NPOになって初めての基礎講座2008(全7回)は、 12月7日北とぴあで行われた発表会をもって、ひとつの区切りを迎えることができま した。 影になり日向になりご協力頂いた皆様、受講生の皆様お疲れ様でした、ありがとうご ざいます。 そしてお忙しい中当日お越し頂いた皆様にも感謝申し上げます。 イキイキと喜びをもって語って下さった一つ一つの語りに その人となりが滲みでていて、温かい幸せな気持ちに浸ることができました。 語りの世界への扉が開かれた瞬間ですね。みなさんは輝いていましたよ! どうか自分を信じ、周りの世界を愛しこれからも学び続けて下さいますように。
育成事業担当理事 松本昌代
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