2016年05月05日

太陽と月の詩 212号 巻頭言

創立四〇周年を前にして


NPO法人語り手たちの会理事長 片岡輝


故櫻井美紀さんが会をスタートさせて来年で四〇年を迎えます。ゆうやけ文庫に赤ちゃんをおんぶして通って語りの魅力に目覚めた若いお母さんたちが今ではベテランの語り手となって、会の運営を担って活躍しています。わが子に語り聞かせようとして始めた語りも次第に図書館や園や学校で大勢の子どもたちに語りの楽しさを届けるボランティア活動へと発展し、高齢化社会とともに聞き手も大人や高齢者へと広がって来ました。語りの質を高めようと、創立二〇周年を記念して始めたセミナーも、入門講座から研究セミナー、ゼミと、語り手のキャリアとニーズに応えて充実した取り組みを展開しています。また、NPO法人化とともに語りを通して社会的に貢献することを目指して、全国各地の会員の協力を得てその地域での語りの活動を支援する事業や被災地へ語りを届ける支援、孤立して子育てをしている若い母親に赤ちゃんとお話しで楽しく遊ぶ機会を提供する「おはなしごっこ012」、障害児や高齢者にお話しを届ける活動、参加者全員で語るよろこび、聞く喜びを楽しむテラブレーション、海外の語り手との国際交流、語りの芸術性を追求する活動、語りの愛好者を結ぶ出版など幅広く行ってきました。私たちの誇りは、こうした多様な活動のすべてを会員のボランティアによって進めていることです。

いま、創立四〇周年を前にして、私たちはこれまでの活動を振り返りながら、より質を高め、内容を充実させ、広がりをもたせて、私たちが直面しているさまざまな問題を語りによって良い方向へと向かわせるには何をどうすればよいかを会員のみなさまとともに考えて参りたいと願っています。創立四〇周年記念事業をはじめ、会員の交流を密にするためのアイデア、会誌・会報にこんなページがあったらいいなの提案などなど、なんでも結構です。語りという文化を末永く伝えていくための知恵を集めて四〇年から五〇年への活動の基盤を力を合わせて築いて行こうではありませんか。みなさまからのお便りを心からお待ちしています。

posted by 語り手たち at 02:15| 太陽と月の詩

2016年02月06日

太陽と月の詩 211号 巻頭言

地域の皆さまへ
                      語り手たちの会 副理事長 君川みち子


昨年、昔話の再話集を出しました。山形の言葉なので、読んでいただけるものなのかどうか分かりかねていたのですが、九州など南の方からの注文を多くいただいて驚いています。北海道から鹿児島まで、皆さん、自分の地域の言葉で語ってくださっているとのことで、これこそ、語り手たちの会の大きな魅力である「自分らしくのびのびと語る」につながるのではないかと嬉しく思っています。
 会誌、会報に載せていただいたことで、名簿でしか存じ上げなかった方たちとつながれたことはとりわけ嬉しいことでした。お電話をいただいた際にはどんな話を語り、どういう活動をしていらっしゃるのかを伺いました。皆さん快く答えてくださり、話が弾み、あぁ、同じ会の仲間なのだと・・・。その時の話が縁で、「京都語り手の会」の三十周年の会が開かれることを知り、会からの心ばかりの助成金もお渡しすることができました。下関や長崎の大先輩とも親しくお話をさせていただきました。
地域支援事業を担当していますが、櫻井美紀さんが亡くなられた後は、どうしたらいいのか名簿を眺めては途方にくれるばかりでした。櫻井さんとのつながりで会員になられた方は、きっと語り手たちの会が遠のいたように感じていらっしゃったのではないでしょうか。
助成金、講師派遣、講座開催など、地域の方たちのための制度があります。東京に来て語っていただく機会もあります。一昨年、昨年のテラブレーションには各地からお出でいただいて、「語り」と共に「活動状況」を話していただき、全国に素晴らしい仲間がいるということを再認識させていただきました。
どうぞ、連絡をくださいませ。語り手たちの会の会員で良かったと思っていただけるよう、理事全員でできるだけのことをしたいと思っております。


posted by 語り手たち at 12:11| 太陽と月の詩

2015年12月27日

太陽と月の詩 第210号 巻頭言

わらべうたに魅せられて
                       北海道 札幌市 布施早苗

私とわらべうたの出会いは幼稚園に勤めている時でした。小さい頃からの夢を実現できたものの現実には思うようにいかず悩んでいた時、園児との距離を縮めてくれたのがわらべうたでした。子育てを楽しくしてくれたのもわらべうた。その魅力にひかれ、夫の転勤先々で先生について学びながら地域の子どもたちに伝えました。その時「乳児期からわらべうたが必要」と感じ、十五年前札幌に戻ってすぐに親子わらべうたを開始。最初は二、三名からのスタートでしたが、現在は年齢別に七グループあり全員で九十組の親子さんが来て下さり、各々笑顔と笑い声が響き、とても和やかな雰囲気です。六年前に仲間と『わらべうたの会』を立ち上げ、年間十五回ほどの実技講習(大人対象)を実施しています。さらにわらべうたを伝える上で子どもの発達を知ることが大事と考え、昨年度から講師を招いて『保育を考える会』(年十回)を実施しています。また依頼を受けて出向いた先々でも「わらべうたは人の心をつないでくれる」ことを実感し、様々な方との出会いがとても嬉しいです。
 遠い昔、生活や遊びの中から生まれ伝承されてきたわらべうたは私たちの祖先が残してくれた財産だと思っています。大切に子どもたちに伝えていきたい。そんな強い思いを抱きながら足りない自分を何とかしようとじたばたしている毎日です。
 「わらべうたを伝えるのなら子どもを知ること、仲間を作ること、感性をみがくこと、歌うことを努力してください」という先生の言葉がいつも私の真ん中にあります。北海道は学ぶ場が少ないので自分たちで作らなければなりません。出すばかりでは枯れてしまいます。常に学んでいたい、学んだことは自分のものにしたい、そのためには人に伝えるのが一番の近道だと思っています。
 親の看護も加わり、時間との戦いですが、あせらず一歩一歩進んでいきたいと思います。

                (語り手たちの会会員・親子わらべうた主宰/わらべうたの会代表)
posted by 語り手たち at 23:43| 太陽と月の詩