2018年12月24日

お話の国

お話の国 シリーズ2 詩を語ろう9


幼子の見る夢は


片岡輝 詩 




今年も残るところ一週間を切ろうとしています。


幼子たちは、指折り数えながら待ち望んだクリスマスを前に、


どんな夢を追いながら夢路を辿るのでしょうか?


願わくば、悪夢にうなされることなく、天使の笑みを浮かべながら


サンタクロースに托したささやかな幸せを手にする夢を見て欲しい、


大人たちの切なる願いです。

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幼子の見る夢は




出来ることなら君の見ている夢を


私も一緒に見てみたい


嬉しい夢ならきっと心が弾むだろう


楽しい夢なら寝顔に笑みが浮かぶだろう


悲しい夢なら泣きじゃくるかもしれない


何かに追いかけられる夢なら


私が何かの前に立ちはだかるよ


君の寝顔を見ていると


君が見ている夢の世界が私にも見えるようだ


君の夢の中に私がいるだろうか


私の姿はたぶんまぶしい光の中に溶け込んで見えることはないだろう


それほど君の夢の世界は大きくて


はるかな未来につながっている


私に出来ることは


君が夢を見る夜が平和であることを守ること




2018/12/23


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2018年11月23日

お話の国

お話の国 シリーズ2 詩を語ろう8


人里から千マイルはなれて 星からの小さな王子へ

 詩 片岡輝


いま、研究ゼミ(片岡ゼミ)では、サン・テクジュペリの『星の王子さま』を素材にして、

新しい物語の創作を進めており、素晴らしい作品が生まれつつあります。

次のシリーズ4で紹介したいと思っていますが、1986年に出版した池辺晉一郎さん作曲で

発表した『時の記憶』の中に『星の王子さま』をテーマにした詩があったことを

思い出しましたので、読んでいただきたいと思います。語ってくださると嬉しいです。


人里から千マイルはなれて


昔の人はいいました

会うは別れのはじめ

愛は悲しみの泉

命ははかない幻と


でもぼくたちは

もう出会ってしまいました

愛してしまいました

幻であるが故におたがいを

一層激しく求め合い


人里から千マイルはなれて

地の果ての砂漠が

こんなにも美しく

棘のあるバラが

こんなにもやさしく

疑い深いきつねが

こんなにも善人で

牙のあるへびが

こんなにも親切だと

教えてくれたのは

星からやってきた

小さな王子

あなたです


昔の人はいいました

時は流れて還らず

愛は移ろい揺れる

命は羽毛よりも軽いと


でもぼくたちは

もう選んでしまいました

信じてしまいました

幻であるが故におたがいを

一層激しく求め合い


人里から千マイルはなれて

別れのかなたの

永遠がなんであるかを

教えてくれたのは

星へ還っていった

小さな王子

あなたです



*混声合唱組曲の楽譜は、音楽之友社のWEBon-demandで購入できます


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2018年10月11日

お話の国

お話の国 シリーズ2 詩を語る7

季(とき)


詩 片岡輝  


この詩は、世田谷うたの広場の新作コンサートのために書きました。

来年の5月には、作曲者のどなたかによって曲となって、どなたかが歌ってくださいます。

感受性豊かな思春期の四季を描いたものです。

みなさんは、四季というキャンバスにどのような物語を綴られるでしょうか。




季(とき


私たちが出会ったのは春

咲き競う花の香りにつつまれて語り明かしたあの日々

つばき れんぎょう じんちょうげ

すみれ たんぽぽ きんせんか

いまはただ愛おしく


気がついたら汗ばむ夏

山深い滝のしぶきに身を打たせ心澄ませたあの日々

おなが かわせみ みそさざい

すずめ やまどり きせきれい

いまはただ懐かしく


沁みとおる大気に秋を知る

ペガサスの星のゆらぎに誘われて飽かず見入ったあの日々

麒麟 大熊 カシオペア 

双子 オリオン ペルセウス

いまもなおきらめいて


怒濤さかまく冬の海

牙むく白い大波に負けじと挑み打ち克ったあの日々

怖れ 絶望 あきらめ

祈り 希望 夜明け

いまもなお忘られず


季とともに私たちは生き

季とともに記憶は積み重なる

命尽きるまで

posted by 語り手たち at 23:04| Comment(0) | お話の国